Column / コラム

札幌スキー事情

札幌に転勤し、2シーズン目が終りました。
スラロームクラブの行事に参加できないことで皆さんにご迷惑をおかけしております。


さて、今シーズンの当初に浜野君と工藤君がそれぞれクラブで基礎と競技の講習を行ったことを聞きました。
これはクラブにとってたいへん良いことだと思います。

私の転勤前の多分06と07シーズンの2回、小賀坂スキーから元SAJデモと国体優勝の岡澤研太選手を呼んで基礎と競技の話をクラブ例会でして貰ったことがあります。
2回目の参加者が少なかったのはチョット残念でしたが、とてもよい内容であったと思いますし、石井君はその後小賀坂の渡辺健太選手の雪上トレーニングキャンプにも参加したそうです。

クラブの、たとえば例会等で外部からのデモや選手を呼んで話しを聞くのは、スキーの最新技術情報の収集とともにクラブ例会の活性化にとって良いことだと思っておりますが、我がスラロームクラブで基礎と競技の技術的な話ができる人間がいれば、それが一番良いことに違いないでしょう。

そういう意味で、今シーズン浜野・工藤の両君がクラブ雪上行事で講師をしたことを私は評価し、これは今後も継続して欲しいと思っています。


写真:2008年50周年記念パーティーより

さて、札幌での話しを少しします。

転勤した年の昨08シーズンはほとんど一人で滑りました。
シーズンを一人で滑るということは初めてで、結構みっちり滑れたという思いと、なんとなく寂しいなという思いが交錯しましたが、結局、スキーは仲間のみんなと一緒に滑るのが一番面白いのだ、ということを実感しております。

今シーズンは、昨シーズン中にたまたま出会ったグループに参加しています。
在札幌期間限定の参加になりますが、偶然の出会いが様々な出会いにつながり、我がスラロームとは
また一味違うスキー経験を楽しんでいます。

昨年2月に札幌国際スキー場のレストランでグループで来ていた隣のおじさんに、半ば強引に頼んで入会したのは「破岳(はたけ)会」という、聞けば創立78年の北海道の老舗クラブで、4月納会は札幌グランドホテル、11月総会はパークホテル。「スラロームとはえらい違うナー。」と思いつつ今シーズンから参加となりました。

会員は200人位で病院長、大学教授、会社役員、ホテル支配人、銀行員等という人が多く、転勤族も少し、多くは60歳以上。
サッポロビールが協力し、ありがたいことに連盟登録等は一切おかまいなし。
シーズン5回、ニセコを始め近郊のスキー場へバスで日帰りか1泊、クラブ名を記した三角形の旗をストックにつけ集団で滑る。
なんというか、ムカシ風。
2時過ぎには帰路に着き、バスではサッポロビールとなぜか「久保田の碧寿!」が出てくる。
札幌に着くと「安着祝い」とやらでグランドホテルでまた飲み会。

飲んでるのかスキーしているのかわからないのは石打花岡食堂の様子とあまり変わらないが、飲む酒と場所が違う(笑)。

ところが、彼等一端スキー場に立つと、林間コースつまりオフピステを好んで滑る爺さん達で、滑りは古いけどその昔国体に出場したとか、大学体育会スキー部に所属していたとか豪の者もいる。
今シーズンのクラブ総会で新人紹介をされ、隣に座った人と話していたら、この人が札幌スキー指導者協会の会長さんとか。
いろんな人が出てきます。

指導者協会の会長さんとは話しが進み、二次会ですすきのの飲み屋に連れて行かれ、ご馳走になる。
なんでも、店の主人夫婦の仲人だそうで20数年タダ酒を飲んでいるそうです。
さて、この御仁、坂井○○という名前で、87歳、北海道スキー史の生き証人みたいな人物。
かつて昭和40年代の全日本デモ選(現在;技術選)で名デモだった藤本進の育て親らしい。
日体大時代は菅平で滑っていたらしく、何とか旅館の馬場忠さんという人には随分世話になったとか、
こちらが知っている人の名前が出て来たりする。

もしや、わがスラロ―ムの近藤元会長が昭和39年から始まったデモ選で北海道の代表になっていた同時代の人ではないかと思い、
「私のクラブの元会長が近藤○○という名で、昭和40年頃北海道代表で全日本デモ選に出ていたんですが、ご存知ありませんか。」
と聞くと「いや、知らないな。」
その場から近藤さんに携帯で「坂井○○さんという人知ってますか」と聞くと「知らないなー」。

それで、近藤さんから以前いただいた「北海道一般スキー80年の歩み」という本で調べてみると、
近藤選手、昭和39年から42年までの4年間すべてに1位から4位まで連続入賞していいて、その選考会の選考委員の一人が坂井先生。
40年以上経っているし、87歳と72歳じゃあ記憶が薄れているかも。


ともあれ、坂井さんからは、「今度、その近藤君が北海道に来たら会ってみたいな。」とおっしゃる。
ご両人ともご健勝で、近藤さんは来年ぜひ北海道に来てほしいものです。


今シーズン当初の12月には、スラロームの皆さんが北海道に来てキロロで一緒に滑りました。
小樽の酒屋では随分飲みましたね。やはりスキー仲間と飲めるのは一番楽しい。


破岳会で3月に1泊でニセコに行き、初日はヒラフ、二日目はアンヌプリ。
泊まったホテルに大きな露天風呂があり、皆缶ビールを飲みながら入っていると
仲間の女性達も入ってきて(湯浴み着て)の混浴となりました。
(アクサワさんがいたらさぞ喜んだことでしょう。)

札幌国際でこちらから声をかけた人は元銀行マンで、その方のおかげでその後、100周年を迎えたサッポロビール会やら
別の懇親会にもエントリーし、雪が消えても札幌の夜を楽しんでおります。


と、こんな札幌生活を送っています。



菊地 一世
2009-6月